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2020年2月20日report
特別講演会 開催レポート
「タイ現地法人が今取り組むべき課題- Thailand 4.0
変化をチャンスに変える! タイ現地法人の組織と人材育成」

文:サイコム・ブレインズUBCL 乙黒 真弓
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本講演会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催延期も検討されていたが、お申込みいただいている方々から「開催するのであれば参加したい」という熱心な声に勇気づけられ、あえて開催を決定した。こうした状況の中でも当日ご参加いただいた皆さまに感謝申し上げるとともに、以下にて本講演会の一部をご紹介したい。 (スピーカーの一人である鄭 偉氏は、コロナ対応の諸事情により、やむなく日本からの渡航を断念し、オンラインでの参加となった)

期限のある仕事や、タイ人が受け入れられる程度の小さな変化を継続的に与えれば、タイ人社員は自ら成長し、会社に貢献しようとする。 

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第2部ではスティ氏から「経営現地化における人材の採用・育成・リテンション」について、次のような知見が共有された。

SutheePanaworn タイにおける人材は二極化してきている。この二極化の傾向は今後さらに強まるだろう。そして、前述したように優秀な人材の獲得とリテンションには、これまで以上にコストがかかるようになるだろう。であればこそ、報酬や待遇といったこと以外にできるタイ人の強みや特徴を理解したリテンションのための施策を検討して欲しい。例えば、日々の仕事に小さな変化があるようにすること。タイ人はルーティンワークを好まない。

この発言に対して参加者から「タイ人はルーティンを好まず変化が必要、というのは本当か。例えば、転勤や職種の変更は嫌われる。むしろスペシャリストでいたいのではないか?」という質問が出た。これに対しスティ氏は、次のように解説する。

SutheePanaworn ルーティンというのは、例えばTQMのように、毎日同じ作業をやり続ける仕事のこと。タイ人は飽きやすく、そうした変化がない仕事をつまらないと考える。タイ人には始まりと終わりが明確なプロジェクト的なアサインメントが向いている。例えば社員旅行の企画であれば嬉々として取り組むし、社員の一体感も生まれる。タイ人社員も活躍できる場を求めている。タイ人の強みや文化的価値観を理解して、仕事の任せ方など工夫して欲しい。

また、スティ氏は多くの日系企業が抱えるタイ人マネジャー層の課題について「自立性や戦略思考がないのは、指示待ちの社員を評価・登用してきた結果にすぎない。突然、自律的に考えて行動しろと言われても、できるはずはない。タイの大手国営企業がやっているように、若い人を採用し、自社に必要な人材を会社の中で育てていくべき。また、タイ人上司は部下を育てないというが、それは解雇されないように自分の身を守ろうとしているため。部下の育成と本人のキャリアパスをセットにして、明確に示す必要がある。」と提言した。タイ人社員の育成とリテンション、経営現地化のための後継者育成について考える際の参考にしていただきたい。

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