- 太田 由紀サイコム・ブレインズ株式会社
取締役専務執行役員
対談
2023.11.16
引き継ぎがスムーズかつ充分になされるためには、当事者同士に任せるだけでなく、上司から適宜声掛けをおこない、いつでもサポートする意思をこまめに伝えることが大事です。育休取得者と周囲との、育休前のコミュニケーションが上手くなされることで、育休中の業務がスムーズに回るのみならず、育休取得者の戦力としての復帰がよりスムーズになります。
2020年に当社が実施した意識調査(※)では、男性育休自体は肯定するも、実際の取得は困難と感じる男性が少なからず存在していることがわかりました。理由として「育休を取りにくい雰囲気がある」と多くの男性が感じており、これには「仕事、キャリアへの意識が低いと見られる」「男性なのに育休を取るなんてと思われる」「引き継ぐ人の仕事量が増え迷惑をかける」など、組織、周囲からのネガティブな評価への恐れも含まれます。
女性が育休を取得するケースと比較し、「男性だから」という理由で上述のネガティブな反応や評価がより強く懸念される場合、職場や本人に、性別役割認識に関する「無意識の偏見」があると言えます。性別に関わらず育休取得を申し出やすい職場をつくるためには、会社や上司が日頃から率先して、“男性だから、女性だから”といった思い込みを外すための働きかけや、チームの誰もが自身の考えを述べることができる心理的安全性の高い環境づくりをおこない、地道に意識変革をおこなっていく必要があります。
※サイコム・ブレインズ「第4回無意識の偏見に関する意識調査 2020年」