- 齊藤 彩サイコム・ブレインズ株式会社
コンサルタント
対談
2021.04.19
PXTは多民族国家のアメリカで開発されました。文化も見た目も違う様々な人がいる中、性別・年齢・人種の違いによるアドバース・インパクト(不利な影響)がないか、しっかり検証しながらつくられています。ここが日本発のアセスメントとの大きな違いです。ダイバーシティを進める企業では、このような開発プロセスをふんだアセスメントを使う意味は大きいと思います。
ビジネスのグローバル化が進み、さらにリモート化によって、どんどん世界が狭くなっていく中で、国内の拠点だけでなく世界中の拠点を俯瞰し、どの拠点にどのような人材がいて、どう活用するかの人材戦略を考えていく重要性が高まっていくと思います。これまで日本は比較的同質性の高い社会で、多数派から人を選び、特定の力だけを測れていればうまくいったけれど、今後は世界中の人材を見ていかねばならない。そのような中、個々を可視化するツールとして開発側の視点に偏りがなく、特定の人が有利になるようなことがない、というのは大切ですね。
あとは今、変化の激しい環境にあわせて組織をフラット化・アジャイル化していこうと言う流れがあります。今後、プロジェクトごとにチームを作り、PXTのスコアを参考にメンバーを決める、というような使い方も出てくるかもしれません。メンバーのスコアの分布を見て「前向きな人が多いので、リスクを見る人も何人か追加しよう。協調性の高いこの人もいれてみよう」とか。このようなアサインの仕方はタレント開発にもなります。ポテンシャルはあるのに登用されず、成長の機会を失っている人にスポットライトを当てることができる。変化の時代においては、人事は今まで以上にオーナーシップをもち、自社の戦略を体現するタレントマネジメントを考える必要があります。我々のような外部が提供するアセスメントを活用しながらも、自社にとって必要なタレントマネジメントを考える主体はあくまでも自分たちです。
そのように人事がオーナーシップを強化することで、社員本人も、自分自身が気づいていない適性やポテンシャルを発見できるようになると良いですね。今まで自分のウィークポイントだと思い込んでいた特性が、機会を与えられた結果、強みとして活きたらすごくハッピーですし、エンゲージメントの向上や、離職の防止にもつながると思います。
齊藤 彩Aya Saitoサイコム・ブレインズ株式会社
コンサルタント
明治大学文学部卒業。高校教諭を経て大手学習塾に就職し、幼稚園から大学受験までの学習指導や進路指導カウンセリングなどを担当。また、社内のジョブローテーション制度により、企画本部や人事、広報にも従事。その後、2014年、サイコム・ブレインズに入社。英語教育部門を経て、現在は営業力強化や若手育成などの職務を担当。神奈川県横浜市出身。「色彩」に興味があり、AFT色彩検定1級、色彩福祉検定1級、パーソナルカラーアナリストの資格を取得。色彩の影響力について深く知るにつれ、心のケアに役立てられないかとアロマテラピー検定1級、メンタルヘルスマネジメントⅠ種(マスターコース)なども取得。
―2022年の新入社員研修への展望(後編)
座談会
2021.11.05
―2022年の新入社員研修への展望(前編)
座談会
2021.10.22
―これまでの女性を中心としたダイバーシティ推進の振り返りから、タレントマネジメントの本質へ(前編)
対談
2021.04.08
―『Assessment Forum Tokyo 2018』レポート
レポート
2019.01.11
太田 由紀Yuki Otaサイコム・ブレインズ株式会社
取締役専務執行役員
一橋大学社会学部卒業。株式会社リクルートにて中小企業の新規顧客開拓営業、および求人広告媒体の編集制作を担当。キャリアや人生を自ら切り開き構築する人々とともに歩み、支援したいという思いから1986年ブレインズ株式会社を設立。2008年にサイコム・インターナショナルとの合併を経て同年より現職。同社の人事を統括するとともに、研修プログラムの開発に力を入れる。また、講師としても約1万人への研修実績を誇る。担当研修はリーダーシップ強化研修、意思決定力強化研修、ビジョン立案強化研修、OJT強化研修、キャリア開発研修、UPAビジネスコミュニケーションスキル研修、UPAネゴシエーションスキル研修、UPAコーチングスキル研修など。近年では、組織のダイバーシティ推進および女性のキャリア開発支援に力を注ぎ、ミドルマネジメントを対象とする「アンコンシャス・バイアス研修」などの企業内研修に多数登壇。