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2021年3月17日report

日本人のための異文化理解と適応トレーニング『タイ人の価値観理解とマネジメント』 開催レポート


データを使って、原因分析と対策を繰り返しながら「異文化の違い」を乗り越える
文:サイコム・ブレインズUBCL CO., LTD. 乙黒真弓 MayumiOtoguro

去る2021年3月17日に日本人のための異文化理解と適応トレーニング「タイ人の価値観理解とマネジメント」公開講座をバンコク市内で開催しました。


当日のクラスの風景写真やアンケートコメントからも伝わるように、「タイ人社員のことをしっかりと理解し、協働したいんだ!」という受講者のみなさんの心意気と、講義とグループワークに大変熱心に取り組まれている様子が印象的なクラスでした。


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親日的な印象が強いだけに、実は意外と難しい「タイ人社員との協働」

全世界がコロナ禍により外出規制や在宅勤務が広がり、従来とは違うワーキングスタイルや社内コミュニケーションの仕方が求められるようになりました。こうした環境変化の中で、在タイ日本人赴任者にとって、タイ人社員のマネジメントの難しさが増しています。特に親日的な印象が強いだけに、実は意外と難しいのが「タイ人社員との協働」ですが、こうした変化の激しいビジネス環境を勝ち抜くために、これまで以上に「タイ人社員のことをしっかりと理解した上で、しっかりと育成する必要がある」というムードが高まっているように感じます。

本講座では、異文化・組織文化研究の権威であるオランダの社会組織人類者ヘールト・ホフステード博士によって体系化された「ホフステード6次元モデル」を学ぶことができます。この6次元モデルを使えば、タイ人との価値観の違いを客観的に理解できるようになることはもちろん、文化的な価値観の違いによって起こり得るトラブルを回避する力や、たとえトラブルが発生してもそれを柔軟に解決する力=「異文化への適応力(異文化マネジメント力)」が身に付きます。本講座の中でどのように異文化マネジメントに必要な知識とスキルを習得し、受講者の参加目的・ニーズ・期待に応えているのか、以下で詳しくお伝えします。

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  • ヘールト・ホフステード教授
  • <文化を理解する6つの次元>
  1. 権力格差 (大きい 対 小さい)
  2. 個人主義 対 集団主義
  3. 男性性(タフ) 対 女性性(やさしい)
  4. 不確実性の回避度(高い 対 低い)
  5. 長期志向 対 短期志向
  6. 人生の楽しみ方 (充⾜的 対 抑制的)

当日の講座の様子

午前中は、まず「文化とは何か」「異文化理解がビジネスにおいてなぜ重要なのか」を改めて確認したうえで、タイの国民文化を形成する地理・歴史・宗教・教育などについて学びます。こうして文化や価値観の基本的な捉え方と、タイ人の気質や国民性の背景を理解した上で、この講座における学びのポイントとなる「ホフステード6次元モデル」について学びます。

異文化・組織文化研究の権威であるオランダの社会組織人類者ヘールト・ホフステード博士が、IBMの社員(72か国・11万 6千人)を対象に行った調査、およびその後の長年の研究により確立した理論です。ホフステード博士の研究によって、それまで自身の経験や見識、憶測等で感覚的に、あるいは場当たり的に対処せざるを得なかった国別の文化的価値観の違い(国民文化の違い)が数値で可視化され、6つの次元で相対的に比較できるようになりました。世界で初めて、自国と他国の物事の捉え方、考え方の差を相対的・客観的に認識できるようになったのです。これが国境を超えたビジネスを行う際の異文化マネジメントの指針として世界中の多くの企業で活用されている所以です。

さて、午後になると各自が事前に受診したオンライン異文化アセスメントの結果レポートが配られます。レポートが示す自身の数値とタイおよび日本人の平均値を見比べつつ、演習・グループワーク・事例分析などを通じて、6次元モデルを自身の職場で使える知識・スキルとしてしっかり習得します。

受講者から毎回大変高い評価をいただく本講座のもう1つのポイントは、経営と異文化に関する専門知識およびビジネス経験の豊富な認定講師から得られる、丁寧な解説とアドバイスです。具体的には、以下のような点について、参加者の疑問・質問に1つ1つ丁寧に回答しながら、解説やアドバイスが提供されます。

  • ・タイ人とのコミュニケーションにおいて気を付けた方が良い点
  • ・報連相の在り方
  • ・約束や仕事の納期の設定の仕方
  • ・評価のフィードバックの仕方
  • ・タイ人の特徴を意識したモチベーションの高め方  など

本講座の狙いは、知識のインプットだけではなく、受講者が日ごろから抱いていた疑問を解消し、明日からの職場ですぐに活用できるようになることです。

例えば、午前中の最初のグループワークでは、自身がタイ人社員に対して日ごろから抱いていた「考えることが苦手だ」「指示待ちで、与えられた仕事しかやらない」「理解したフリをする」といった驚き・疑問・課題を多様な業界・業種からの参加者と共有します。その後、様々な演習を通じて6次元モデルへの理解を深めます。そして、このモデルを使って、先に上げたような疑問・誤解・トラブルについて対処する方法を習得してゆきます。その上で、午後のセッションでは、事例分析によって、自身のマネジメントスタイルについて振り返ります。こうした時間は、自身のタイ人部下への向き合い方を客観視し、気付きを得るための非常に貴重な機会となります。

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日泰の価値観の違いを示す数値のギャップを見ながら「なぜ」と「どうすべきか」を議論します

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各自が自身の経験を振り返りつつ、様々な演習に取り組むことで、6次元モデルへの理解を深めます



本講座の担当者として受講者の皆さまにお伝えしたいのは、「もし文化的価値観の違いに起因するトラブルへの対処に苦慮したり、イライラや戸惑い、不安やストレスを感じたり、感情的になったり、コミュニケーションを敬遠しがちといった時には、本講座で学んだ6次元モデルを使った分析手法を思い出して、タイ人社員をより適切にマネジメントするための有効な『手がかり』を見つけて欲しい」ということです。ここで学んだことをタイ人社員との日々のやり取りの中で実践しながら、コミュニケーションの質と量の向上、ひいては社員のエンゲージメント向上といった成果にも繋げていっていただければ嬉しく思います。

参加者プロフィール

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参加者の満足度

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参加者の声

以下、当日実施したアンケートで頂戴した受講者の声(抜粋)をご紹介します。

Q.参加の理由(抜粋)
  • 会社からの勧め。
  • 駐在員として異文化理解を深めることはビジネスを円滑にする重要な要素の一つと考えたため。
  • 2年間タイで働いた結果、当初のミッションと現在の成果にギャップを感じ、タイ人の本質を理解したいと思って。
  • タイ人社員のメンタリティを深く理解し、スムーズに仕事を進めたいと考えていたため。
  • 社員の育成のために、上司としてどのような対応をするべきか、気づきを得るため。
Q.参加後の感想(抜粋)
  •  内容が実用的で、説明もとても分かりやすく、大変勉強になった。具体的に数値や例を交えた説明があったため、イメージがつきやすく、頭の中の整理が容易にできた。明日から実際のコミュニケーションに速攻で活かせそう。赴任して間もない受講だったので、少し時間をあけて、現状課題を把握したうえで、再度受講したいと思う。
  •  日本人の考えを押し付けるのではなく、タイ人の価値観を理解する、という視点で見た時、今までの自分にはなかった学びや気づきがあり、非常に参考になった。タイ人との価値観の違いは埋められるものではなく、理解し、歩み寄ること、といった大切なことに気づかされた。タイで事業をしていくために、この点を意識しながら、仕事を進めていきたいと思う。
  •  計数化された判断基準は、価値観の違いを理解するきっかけとして分かりやすく、有効活用できると感じた。今後の会社経営においてタイ人社員をどのようなポジションで組み込んでいくか検討するにあたり、大いに参考となった。タイ人社員にも受講させたいと思っている。
  •  研修内容に加え、パーソナルアドバイスも頂け、非常に参考になり、満足している。タイ人の言動(価値観)にタイの教育が影響していること、表に現れる言動と価値観との関係性(=6次元モデル)、これを理解することが重要性であると分かった。明日からのタイ人スタッフとのコミュニケーションに役立てたいと思う。
  •  6次元モデルを初めて知り、タイの文化と価値観について理解することができた。仕事能力の差だけでなく、文化的価値観の差異を理解した上で教育することの必要性を認識することができて、大変良かった。
  •  受診したアセスメントによって自分とタイ人社員の価値観の違いを知ることができた。タイ人社員にとって受け入れやすい育成プランを考えるにあたって非常に参考となった。自分がタイの文化を学ぶだけではなく、タイ人にも日本の文化や価値観を分かってもらわなければこちらの意図や考えは伝わらない、ということに気づかされた。非常に学びと実りのある講座だった。
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