タイの夏が近づき、バンコクの気温が上がり始めた2017年3月23日(木)、タイ国立マヒドン大学経営大学院(College of Management, Mahidol University)にて、「泰日マネジメント育成プログラム~タイ人中堅管理職公開講座」開講10周年・無料記念講演会を開催いたしました。
「泰日マネジメント育成プログラム」は、2008年より弊社とCMMUが共催している公開型研修プログラムで、これまで延べ2,500名以上のタイ人マネジャーに参加いただいています。
日本ではまだ余り知られていないかもしれませんが、タイにおいては、2020年-2025年頃には65歳以上の人口が全体の14%を超す高齢社会が到来するといわれており、早急な高齢化対策が官民あげて注目されています。
そこで、この講演会では「How Japanese Companies Challenge a Strategy for Aging Population in Thailand」をテーマにお二人のスピーカーをお招きし、少子高齢化の見通しと社会に与える様々な影響、それに対して我々はどう対処すべきなのか?といった点について話していただきました。
平日の午後という時間帯にもかかわらず、30名以上の方々にご参加いただき、CMMUのActing DeanであるVichita Ractham教授のWelcome and Celebrate Speechを皮切りに講演会開始となりました。
最初の基調講演は、弊社タイ現地法人のパートナー企業であるUBCL Co.,Ltd.代表であり、タイ投資委員会(BOI)アドバイザーでもあるSuthee Panaworn氏より、「Future Strategy for Japanese companies in Thailand in response to "Aging Population」をテーマとしてお話いたしました。
タイの年代別人口データを踏まえた少子高齢化の見通しや、先行して少子高齢化を迎えている日本とタイとの比較から見えてくるもの、見逃してはならない少子化の影響を踏まえ、在タイ日系企業が対応しなければならない人材や組織に関する戦略提言や、来る高齢化に対するマーケット戦略のポイントなど、参加者とのディスカッションも交えながら、 わかりやすくお話しいただきました。 また、タイ人人材の育成についても言及があり、良い人材の確保と継続的な教育の必要性、「特に底上げが必要なのは財務スキル、論理思考力、効果的なプレゼンテーションスキルの3つである」と具体的に指摘され、参加者の皆様も大きくうなずき納得されたご様子でした。
二人目のゲストスピーカーは、CMMUのActing Deanであり、Program Chair of Marketing であるBurim Otakanon氏より、「Marketing and Innovation for Future Thailand Economy」をテーマに、今後のタイ経済に必要な戦略的変革やタイ政府が重要経済政策として取り組んでいるThailand4.0政策、変革を実現していくために必要なイノベーションのモデルについて、自動車のエンジン技術などの事例を交えながら話していただきました。
少子高齢化をはじめ、今後、大きな変化が起きることが予想されるタイ市場に向き合っている参加者の皆様は、タイの社会や経済の現状に精通した同氏の講演内容に熱心に耳を傾けられ、メモなども細かく取られていました。
当日の参加者の多くは在タイ日系企業の日本人及びタイ人マネジャーやMDの方々でした。タイの日系企業の約60%は製造業と言われていますが、今回は金融や医療関係のタイ企業の方にも参加いただくことができ、幅広い産業の第一線で活躍される日本人とタイ人方々のよい交流の場にもなったのではと感じています。
2時間半と限られた時間ではありましたが、事務局スタッフも参加者の皆様とさまざまな意見交換などもさせていただき、有意義な講演会として終了することがでたことを嬉しく思っております。
末文となりましたが、この度の無料記念講演会にご参加いただいた皆様、また、これまで「泰日マネジメント育成研修プログラム」にご参加いただいた皆様に心からお礼申し上げますとともに、今後も更なる10年後の発展、飛躍のため、在タイ日系企業各社の人材育成をサポートすべく、マヒドン大学経営大学院と共に講座の充実を図ってまいります。 (取材&文:CMMU-CICOM Project team)
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