- 小西 功二サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター / シニアコンサルタント
コラム
2021.05.31
三つ目のスキルは「コーチング」です。先の対話の深め方の最後である「対策を問いかける」部分でこのスキルを使用します。コーチングをあらためて定義すると、「ある“問い”に対する“解”を、質問によって相手の中から引き出すこと」となります。繰り返しになりますが、1on1を行う狙いは「部下の成長」です。上司が論点の整理や、気づきを促すアシストを行いながらも、問題の“解”は部下本人に考えさせ、自分の言葉で説明させてみることで、部下が自ら考える力とマインドを育みます。このコーチングの対立概念となるのが、相手に解を与える「ティーチング」ですが、どちらか片方が優れているというものではありません。面談の目的、部下の成長段階、業務の習熟度などに応じてアプローチを使い分けることが重要です。
コーチングのスキルは、ティーチングとの使い分けとともにビジネスの世界で一般化しつつありますが、研修の現場で企業のマネジャーの方々と接していると、「コーチングが何かを理解はできていても実践ができていない」あるいは「できていないことにすら気づいていない」ケースも多いことを日々実感しています。実は、当人たちはコーチングのつもりでもそうなっていない、“なんちゃってコーチング”が横行しています。コラムの後編では、“なんちゃってコーチング“の残念な実態と、その原因について触れていきたいと思います。
小西 功二Koji Konishiサイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター /
シニアコンサルタント
神戸大学文学部卒業、名古屋商科大学大学院MBA。中小企業診断士。
前職では自動車メーカーのコンサルティングファームにて、系列ディーラーの経営改⾰を⽀援。販売台数の増加、利益拡大、赤字経営からの脱却、後継者育成など幅広い支援業務に携わる。2013年、サイコム・ブレイ ンズ入社。顧客企業のパフォーマンスが向上し、「社員が元気になる」様な研修プログラムの開発・提供に力を注いでおり、人や組織がよりよく変化していく事を体感できることが最大のモチベーション。大阪府堺市出身、趣味は映画鑑賞と車の運転。年に一度は10日間の一人旅に出ている。
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